紫外線が肌にもたらすメリット・デメリットと対策法
夏の季節が近づいてきて、そろそろ気になるのが『紫外線』。
今回は、紫外線が肌にもたらす影響をまとめます。
紫外線とは
紫外線とは、太陽から放たれるもので、英語の「ultraviolet」を略して「UV」とも言います。
波長が長い順にUV-A、UV-B、UV-Cの3種類に分けられますが、UV-Cは地球の周りを包むオゾン層に吸収されるため、私たちに影響があるのはUV-A、UV-Bの2つです。
UV-A
紫外線の中で最も波長の長いUV-Aは、浴びた分の20-30%が皮膚の内部(真皮)まで届き、コラーゲンを結びつける働きを持つタンパク質であるエラスチンを破壊。
UV-Aによって破壊された細胞は、元に戻らないと言われ、メラニン色素の沈着により肌が黒くなるサンタンを引き起こす原因でもあります。
UV-Aはガラスも通過するため、外出しない日でも対策は必要かもしれません。
UV-B
UV-Aより波長が短く、肌の表面の細胞を破壊します。
日焼けによって肌が赤くなり炎症を起こすサンバーンを引き起こします。
また、皮膚がんや白内障の原因とも言われている最も有害な紫外線です。
紫外線が強い時期・時間帯
時期(日本)
気象庁のデータによると、1年のうち3月頃から急に強くなり始め、5~7月頃にかけてピークを迎えると言われています。
しかし、紫外線の影響を一番受けやすいのは夏ではなく3~5月。
冬の乾燥で肌が弱くなっているところに、急激に紫外線量が増える春前の時期が一番注意が必要なんです。
天気
紫外線は、天候によっても変わってきます。
曇りの日は紫外線対策を怠りがちですが、雲によって太陽光を散乱させるため、晴れの日より紫外線量が多くなることがあります。
時間帯
1日の中で10時~14時が最も紫外線の強い時期とされています。
紫外線が肌にもたらす悪影響
日焼け
日焼けとは、肌がやけどをしている状態です。
肌が黒くなっていくため、特に女性にとっては多くの人の悩みの種になっているところだと思います。
老化
紫外線は肌を乾燥させたり、しわやシミの原因にもなり、肌の老化原因の8割を紫外線が占めていると言われています。
アンチエイジングの化粧品を使う前に、紫外線対策をしっかり行うことの方が重要かもしれませんね。
皮膚がん
UV-Bは皮膚の細胞のDNAを傷つけるデメリットがあります。
皮膚の細胞は傷ついたDNAを切り取って正しいに戻す仕組みが備わっていますが、DNAの傷害が続くとDNAの再生が上手くいかなくなり、皮膚がんの原因になる可能性があります。
眼の病気
紫外線のほとんどは眼球の表面の角膜で、角膜も通過した紫外線のほとんどは水晶体で吸収されますが、水晶体をも通過した1~2%の紫外線が網膜まで到達します。
これにより紫外線角膜症や翼状片、皮質白内障などの眼の病気を引き起こす可能性があります。
紫外線対策
日焼け止め
日焼け止めは一度塗ったら終わりではなく、2~3時間ごとに塗りなおす必要があります。
また、ここでは日焼け止めの選び方についてまとめました。
PA
「Protection Grade of UVA」の略で、UV-Aに対する防止効果を示すものです。
「PA+」「PA++」「PA+++」「PA++++」の4段階で表示され、+が多いほど抑止効果が高いです。
SPF
「Sun Protection Factor」の略で、UV-Bに対する防止効果を示すものです。
2~50の場合は数字で、50以上の場合は「50+」と表示され、数字が高いほど抑止効果が高いです。
日焼け、紫外線対策だけを考えると、PAもSPFも数値の高いものを選んでおけば安心ですが、数値が高いほど日焼け止めが肌にかける負担も大きいため、できれば場面ごとに日焼け止めを使い分ける形がおすすめです。
日傘
紫外線は建物や地面からも反射するため、顔に当たる紫外線を吸収してくれる、裏地が黒の日傘を使用することをおすすめします。
サングラス
紫外線は眼にも悪影響を及ぼすため、外にいる時間が長くなる時はサングラスもあると安心です。
紫外線は目の正面だけでなく、上下、横からも入ってくるため、顔にフィットするぐらい大きなレンズのものが理想的です。
紫外線にはメリットも!
ビタミンDの生成
ビタミンDは骨の形成や成長を促進させたり、カルシウムの吸収や免疫機能の働きをサポートする効果があります。
不足することで、免疫機能の低下やアレルギー疾患、自閉症、糖尿病などにかかりやすくなると言われています。
ビタミンDは18歳以上の人が1日に摂取する目安として8.5マイクログラム(400IU)。
食事からも摂取できますが、それは簡単ではないため、多くの人は1日に必要なビタミンDの半分以上を紫外線に頼っているのが実情です。
睡眠の質の向上
朝に紫外線を浴びることで体内時計がリセットされ、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が正常になり、睡眠の質の向上につながります。
鬱の抑制
紫外線を浴びると「セロトニン」と呼ばれる幸せホルモンが分泌されます。
これには感情を整え安定させる働きがあり、ポジティブな感情を生み出す効果が期待できます。
紫外線は悪いものと思われがちですが、全く浴びないのもよくありません。
適度な日光浴と、その時に合った日焼け対策を行って、紫外線とも上手に付き合っていきましょう。
【参考】
これから気になる紫外線、そのメリット・デメリットや対策を知ろう | LiLuLa
皮膚科医が指南!「紫外線」を浴びることのメリットとデメリット